タロウ
タロウの体育祭
「優勝は………」
生徒達は、静まりかえる。

子供の競技や演技を見に来たのか、応援合戦を見に来たのか、知り合いと喋りに来たのか分からないくらい、ペチャクチャ喋っているオバサンの声がするだけ。
自分達の声が響いていることに気付かないのか、
いっこうに黙る気配がない。
「…南団です!」

「キャー」
「しゃー」
「ヤッター」

おもいおもいの歓声が
俺のまわりでまき起こる。

へぇ~俺、振り付け間違えたのになぁ。

俺は独りシラケタ目で
体育ずわりした自分の足を、特に興味はないが、他にすることも無いので観察する。

やっと終わった。

そんな想いでいっぱいだった。

早く帰りたい

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