好きすぎて…



「やばいって。
あそこにいるさあ
背の高い男の子
かっこよくなーい!?」


て…えっ―――…?

ありえない…
ありえなさすぎる。


そいつは…亜由が
かっこいいって
言ってる奴…

そいつは…
夏木旬(ナツキ シュン)。

あたしを中学の頃…
苦しめた奴。


あの出来事が起きた
2、3年たった
今でもあたしは…

夏木旬を許してない。


あいつのとった行動、
言葉、何もかも…

あたしをここまで
苦しめたのは
あいつしかいないんだ


「……-み?
な・な・み? 大丈夫?」

「あ…うん、ごめん。
他の世界入ってた。

そうだね、
あの人かっこいい。

けどあたしは
…大空(ソラ)くんしか
見えないなぁ」

「もう本当~
七美は恋してて
いいね~。
あたしも恋したい~」


「でも亜由モテるよ!!
だってすんごい可愛いし
絶対亜由を
幸せにしてくれる男は
そろそろ現れるよ」

ニンマリしながら
あたしが言うと
亜由の目付きが変わった。

「いや…本当あたし
可愛くないしモテないの。
だから今まで彼氏とか
1回も作ったことないし」


うそ…
この亜由がぁぁぁ!?

ビックリ仰天だぁ

でもきっともう少しも経てば
亜由は告白されるな

だってこんな可愛くていい子を
男が放っておく訳がないんだもん


あ……

あいつと…夏木旬と…確かに
目が…合った…





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