涙花‐tear flower‐【短編】
そんな少女がいることに、フィルは違和感を覚えなかった。

それどころか、普通に挨拶までして。


「名前は、何ていうの?」


向かいの椅子に腰掛けながら、少女に問う。


「あのね、“ティア”っていうんだよっ!」


少女……ティアは、フィルの問い掛けに嬉しそうに答えた。


「僕は“フィル”っていうんだ。」


フィルが言うと、ティアはにこりと微笑む。

そんなティアに、フィルは自然と笑顔を向けた。
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