キミは許婚


「あと、俺は気に入ったもの、絶対手放さない主義なんだ。覚えとけ」



……き、気に入ったって……!?


あたしのこと!?



耳元で囁かれて、あたしは頭にやかんを置いたら一気に沸騰しそうなくらい熱くなってる。


耳に、頬に、髪にかかる吐息がくすぐったい。



ダ……ダメ!


これは空気を変えないと!!



「……わ、わかったけど……でもあたしが嫌だって言ったら?」


「お前の拒否権は……こうして取り上げてやる」


「ちょ…………あっ……んん……!」




待ての言葉は通じず、あたしは唇を奪われてしまった。

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