キミは許婚


聖は自分に食いつくお姉さんをいつもの社長スマイルでかわすと、あたしを追いかけてきた。



「もう一周するんじゃなかったの?」



隣に並んだ聖を睨みつけながら言った。



「気が変わった」


「あんなとこ見られて……社長のイメージ悪くなったかもね」


「あんなとこって?」



意地悪そうな笑みであたしを見下ろしてくる。


ホント……腹立つ!




……でも、変なんだよね。



……嫌いじゃないんだ。
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