キミは許婚
その日の夜は、許婚について前向きに考えて本当にいいのか、真剣に考え始めたことであまり寝つけなかった。
結局、自問自答しても出てくる答えに変わりはなかった。
朝からあくびを何度も繰り返し、重たい目蓋を必死に開き大学の講義を受けた。
全ての講義を終えて駅までの道を一人で歩きながら帰っていると、
黒塗りの高級車があたしの隣でゆっくりと止まった。
……もしかして……聖!?
思った以上に心臓が速くなる。
胸のドキドキを抑えながら車の窓が開くのを待った。