キミは許婚


そして金曜日。



週刊誌が発売される日。


それと聖が合併後も社長でいられるか、という大事な日。


今日もまたドキドキして寝不足。



「おはよ~……」



寝ぼけたまま服を着替えて朝食を食べにリビングへ行くと、母が慌てたようにテレビを消した。



「あ、お、おはよう! 明! 早いのね! 今食事の用意を……」


「早くないでしょ? いつもより遅いくらいだよ」



いつも食事中でもテレビをつけているはずなのに……なんで消したんだろう?


母がいなくなったソファーに腰をかけると隣の父が恐い顔をしていた。
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