キミは許婚


家が広いとはいえ、住み込みのお手伝いさんは雇っていない。


たまに庭師の人や掃除のプロを呼ぶくらいだ。



だから専業主婦の母親は大体家にいて、家族の帰りを待ちわびてるんだけど……。



「お母さん? いるんでしょ~?」



姿が見えない母へ声を掛けながら廊下を突き進む。



そして行き止まりのリビングまで来た時、話し声が聞こえてきた。
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