キミは許婚


母のためにも自分が不安な気持ちでいたら、母を支えることができない。



「お母さん……ちょっとあたし外の空気吸ってくる」



鬱々とした気分を変えるために外へ出ることにした。



荷物を持って病室を出る。



病院には緑豊かな庭園が広がっている。


でも今は夕日がきれいに輝いていて、辺りの景色一面がオレンジ色に染められていた。



その光景を綺麗と思うこともなく、ため息だけがでる。
< 311 / 533 >

この作品をシェア

pagetop