キミは許婚


朝から、

やっぱり聖はあたしなんてキープでしかなかった、と落胆したし、

聖を忘れよう、距離をとろう、嫌いになろうっていっぱい考えた。



そんな時に倒れた父。


取り乱して弱る母。



そこに沁み込む聖の声。



ひどいよ。


あたしを落とすのも助けるのも、聖しだいだなんて。



でも聖しか助けられないの。


助けてもらえないし、聖からしか助けられたくないの。




「聖……会いたい…………」
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