キミは許婚


この二人は……同級生で、お互いのことをすごくわかってて……一緒に仕事をしていて欲しい。


それに約束を守らないなんて……聖らしくないと思う。



「聖! あたしの前に現れる時は……社長として現れるって約束したよね?」



あたしのせいでこの事態を招いたことはわかってる。


でも気がついたらあたしは言葉を口にしていた。


遠ざかる背中に言わずにはいられなかったんだ。



「だから……それはさっきも言ったけど守れなくて悪いって……」



離れた場所から聖は弁解しようとする。


謝るなんて聖らしくないよ!?


そんな話、聞いてやらないんだから。
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