キミは許婚
薄暗かった外から、明るく真っ白な病院内に入ると目がシパシパした。
それでも話を続ける柚野さんは平然とした表情のままだった。
「そもそも食事をしたいと言い出した時からおかしかった」
「おかしいとは……どういうことですか?」
あたしの歩幅に、ぴったりと合わせて歩いてくれている柚野さんの顔を見上げた。
「聖に送り迎えをして欲しいと条件を付けてきました」
「え……! そんな条件……あたしは柚野さんだったのに……」
……あ。
今微妙に失礼なこと言っちゃったかも。
聞こえてないかな、なんて思ってたけどそんなはずなかった。