キミは許婚
あたしが照れて顔を熱くさせていると、何かを決めたように父は一つ深呼吸をした。
「わかった。上条副社長が再び社長になれれば……結婚を認めてやらんこともない」
「ほ……本当!?」
「この条件が達成できれば……今度は許婚……ではなく、上条聖として迎えてやろう」
聖……!!
やったよ! お父さんにも許してもらえた!!
後は聖が社長になるだけ!
そうしたらあたし達……本当に一緒になれちゃうんだよ……!?
「ありがとう! お父さん!!」
「こら……明、声が……!」
父の注意は間に合わず、あたしは大きな声を上げていた。