キミは許婚


いやな考えが頭に浮かぶ。



信じようと決めたのに。


こうも連絡がとれないだけで不安になるなんて。



「聖はきっと諦めてなんかいない……あたしは聖を信じてます……!」



強く言ったつもりだった。



でも……


「明さま、いつもの強がりですか?」


柚野さんの背筋をゾクリと這うような一言があたしを黒く包む。



お願いだから……聖という光を消さないで……。
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