キミは許婚


……でもなんで?



「哲太……朝からどうしたの?」


「どうしたもこうしたもないだろ! 明、今日誕生日じゃん!」


「……え?」



誕生日?


あたしの……?



……そういえば……!!



「……そうだった……」


「忘れてたのかよ! お前……祝いがいのねぇ奴だな! いや、逆にあるのか?」



哲太は一人首を傾げながら呟いている。


そんな哲太よりも、あたしは自分が誕生日を迎え、ハタチになったことに動揺していた。
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