キミは許婚
許婚として聖を紹介された時……ハタチになったら結婚と言われていた。
何か月しかないな……とは思ったけれど、まさかこんなすぐにやってくるとは。
しかもこんな曖昧な関係の時に迎えるなんて。
「で? いつ結婚すんの?」
哲太は何の臆面もなく、あっさりと聞いてきた。
「け……結婚って……」
「だってハタチになったら結婚っていう約束じゃねぇの? 上条社長と……って今は副社長か」
副社長に降格していることを知っておきながら、軽々しく許婚の話題に触れてくるなんて。
うらめしくて、哲太をギロリと睨むと
「な、なんだよ!」
と、焦ったように一歩後退した。