キミは許婚


玄関から出て門扉まで歩く。



いつも


何で玄関開けたらすぐに外じゃないの!?


早く敷地から外に出たい!


なんて思っていた距離だけど……今はもうちょっと続いていて欲しい気持ちだよ。



ライトでほのかに照らされた夜の庭に、二人だけの足音が響く。



一人じゃない実感。


隣に並ぶ大きな人影……。


ちょっとだけあいた隙間がもどかしい。



……ダメだ!


何これ!? これが欲求不満っていうやつなの!?



無言で歩いていたら、あたしの手が勝手に聖の手まで伸びちゃいそう!!
< 442 / 533 >

この作品をシェア

pagetop