キミは許婚
玄関から出て門扉まで歩く。
いつも
何で玄関開けたらすぐに外じゃないの!?
早く敷地から外に出たい!
なんて思っていた距離だけど……今はもうちょっと続いていて欲しい気持ちだよ。
ライトでほのかに照らされた夜の庭に、二人だけの足音が響く。
一人じゃない実感。
隣に並ぶ大きな人影……。
ちょっとだけあいた隙間がもどかしい。
……ダメだ!
何これ!? これが欲求不満っていうやつなの!?
無言で歩いていたら、あたしの手が勝手に聖の手まで伸びちゃいそう!!