キミは許婚
自分はそう言った欲求に無縁だと思っていたのに……聖に変えられてしまったらしい。
これは何かで気を紛らわせないと……。
「ね、ねぇ聖、どこ行くの?」
会話を探した結果、やはり今の状況について聞いてみた。
「なんだ、気になるのか?」
「あ、当たり前じゃん!気にならない方がおかしいでしょ。話すだけだったら移動することないじゃない」
「話すだけなら……な」
暗がりに聖の妖しい笑みが浮かび上がる。
「明は話すだけで満足か?」
「な……何言って……」
「俺は……もう我慢できない」
門から出たところで聖の足が止まり、あいていた距離が縮まる……。