キミは許婚


でも柚野さんは相変わらず変わりなくて……



「はい、いじめました」



と、業務報告でもするかのようにさらりと答えた。



逆に動揺したのは鎌を掛けた聖の方で……



「なんだと!? どういうことだ、爽!」


「ちょ……聖、危ないから!」



車中で立ちあがろうとする聖をなんとか抑える。



「いじめたと言っても私はただ、不安がっていた明さまを軽く揺さぶったにすぎませんよ」


「不安がっていた……?」
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