キミは許婚
もそり、と動くと聖はうっすら目を開けた。
「……なんだよ、明」
「なんだよ、じゃなくて!」
「もう一回ヤりたいのか?」
聖の手があたしの胸元に伸びてくる。
そこで昨夜のまま裸だったことに改めて気付いた。
「ち、違うの! そうじゃなくて!」
シーツで身体をくるみながらもう一度聞く。
「この指輪! どうしたの!?」
「ん~……」
寝起きはあまり頭が働かないらしい。
聖はゆっくり身体を起こして、首をさすりながらあくびをした。