キミは許婚
婚約してからの一年間は、とても慌ただしかった。
あたしの両親はあたし達二人のことを知っているけど、他の人はあたし達の関係を全く知らないのだ。
周りの人に挨拶をしなければ、と思い立ってから一番に、
聖のお爺様とお婆様のところへ挨拶に向かった。
初めはお婆様が認めてくれなくて大変だった。
でもなんとか認めてもらい、今では心から祝福してくれている。
一応、と思って哲太へ挨拶に行った時、丁度哲太のお母様もいて聖に見惚れていた。
大丈夫だとわかっていても、なんだかイヤだったので挨拶を早めに切り上げて帰った。
その次に向かったところは……柚野さんのところ。