キミは許婚
「婚約? 結婚ではなくて?」
あたし達の報告を聞いた柚野さんは、冷酷な笑みであたし達に問いただした。
「なんだよ、婚約して結婚だろ? 順序踏んでるぞ?」
「明さまがハタチになったら結婚、じゃなかったんですか?」
……さすが柚野さん、鋭い。
痛いトコロを突いてくる。
「雑誌にスクープされたり、合併問題があったり、会社設立したり……いろいろあったんだよ!」
「言い訳にすぎませんね」
柚野さん、厳しすぎる。
あたしは柚野さんの目を見ていられなくて、聖の影に隠れた。