キミは許婚


こうして親しい人達や会社の人達に挨拶を終えて……

迎えた21歳の誕生日。



あたし達は今、ヴァージンロードの上に立っている。



参列者はごくわずか。


あたしの方からは両親と哲太。


聖の方からはおじい様とおばあ様、そして柚野さんが参列。



本当なら高校生の時、あたしを叱った先生にも参列してもらいたいくらいだ。



だってあの先生がいなきゃ、聖の背中を押す言葉だって出てこなかったわけだし。


でももっと言えばあたしが委員長を引き受けなきゃ言われなかったことで……



要するに……あたしの今までの全てが、聖と出会うためだったのかもしれない。



そう思うと、まだまだ短いけれど、とても良い人生を歩んできたなって思えるよ。
< 522 / 533 >

この作品をシェア

pagetop