キミは許婚
「いや、今日が初めてだぞ?」
父はあっさりと答えてくれた。
「ほ……ホントにホント!?」
「本当だ! ワシが家庭に仕事を持ち込むのを嫌うこと、明もよく知ってるだろ!?
今日は明の話だったから、たまたま家に来てもらったが……」
曇り空が一変して快晴。
目の前が明るくなる。
良かった……!!
あの、お客様を目の前にして暴言吐いた娘はあたしじゃなかったんだ!!
感謝してるって聖は言ってたけど……きっと本心は違うはず。
もっと……もっと黒いはず。
「それならいいの! じゃぁあたしお風呂に入って寝るね」