イケメン王子とワガママ姫
「行くぞ。」
優哉は、あたしの手を握り
奈緒達と別の方向に歩きだした。
「どこ行くの?」
「保健室。」
即答で返ってきた返事。
…何しに?
体調悪いのかな?
あたしは、どこが悪いんだろう…
大丈夫かな…?
なんて考えながら歩いていた。
優哉が赤くなっていない方の手を
握っているなんて
気づかずに…
────
ガラガラ…
保健室には誰もいなかった。
「座れ。」
優哉は湿布を棚から(勝手に)
取りだしながら言った。
…へ?
「え?なんで?」
優哉の体調が悪いんじゃないの?
あたし、ずっとそう思ってたのに…
「いいから。そこに座って。」