イケメン王子とワガママ姫



「…ありがと。」


小さな声で


聞こえるか聞こえないかの声で


栞に言った。



「え?何?」


「別に。なんでもない。」



俺はそっと栞を離した。



「ん?」


と首を傾げて、大きな瞳を見開く栞が


こんなにも愛しい。




大丈夫だ。


あいつには負けない。


ってゆうか、負ける気がしない。



栞の隣にいるのも


栞の色んな表情が見れるのも



全部…俺だけ…





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