イケメン王子とワガママ姫
「そいつから離れろ。」
ふと後ろから聞こえた低い声。
誰かが助けに来てくれた!!
よかったぁ…
安心して声がした方を見ると…
…へ?
そこに居たのはイケメン王子。
無造作にセットされた髪。
誰もが振り返るような甘いマスク。
スラっとした体。
あたしよりもかなり高い背。
…芸能人?
違うよね…?
この学校の人…?
一応この学校の制服着てるし…
「あぁ!?誰だお前。」
不良が男の子に向かって言った。
「別にいいだろ。それより、そいつから離れろ。」
男の子は不良を軽くスルーして
こっちに近づいてきた。
そして…
「言っとくけど、こいつ俺の女だから。」
なっ…?
いつからあたしはこの人の女になったの!?
男の子は不良の手を掴んだ。
ミシッ…
不良の顔がみるみる苦痛の顔になっていく。
「…っ。覚えてろよ。」
今どきあり得ない捨て台詞をはいて
不良達はどこかに行った。