☆隣りのハニー!☆
廊下を抜け、小さな階段を三段、四段と飛びながら二階へ。

ハニーの教室は桜組。
薔薇、菫、百合、チューリップ、紅葉、楓……。

次々と教室の前を抜ける。

桜……あった!

あたしはその教室の扉を開けた。

「はぁっ……遅くなってすいません…っ!」
肩を揺らしながら呼吸をする。

「あら雅ちゃん、遅かったね、心配してたのよー?」

「すいません…。ボーッとしてたみたいで。」

「蜜ちゃーん?お迎えよ。」

夕方保育の子もいて、教室には五、六人園児が残っていた。

「みやびおねえちゃんっ!」

「ハニー、ごめんね。帰ろ?」

そう言うとハニーは、笑顔で頷いて、鞄を取りに行った。

「みやびさんっ!」

ドンッ

「ぐはっ!!」

で、デジャビュ?

「ま、まりちゃん。」
下を見るとキラッキラの笑顔を向けるまりちゃん。

眩しいね、お姉さんにはできないわ。

若いっていいな…。
(※あんたも十分若いって)

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