◇冬の女王サマ◇
俺は思い切って言った
「付き合えない」

俺は保健室から出て
倉田を見つけた
そして今こういったのである


「えっ・・
 それでいいわけ?」
少し驚いた顔
「あぁ」
「それなら嫌がらせも
 エスカレートするよ」
「だから?
 俺もう自分の気持ちには
 ウソつかないから」
「かっ・・彼女の好きな人は
 海道君よ」
「それでも」
「そんなことをしても
 彼女は守れないのよ」



「たとえお前が
 どんな手段を使おうとも
 たとえ春風がおれのこと
 好きじゃなくても 
 俺がこいつを守るから」
「っ・・・」
「陰で支え続ける
 俺がこいつにできることは
 これだけだから」
「どうして?」
「俺は一度こいつの
 手を離したから」
「あなたの思いは強いのね
 ・・・私の負けよ
 なんて私は言わないわ
 また気が変わったら
 教えて
 私はいつでもいいわよ
 まぁ付き合わなくて
 嫌な思いするのは
 あの仔だけどね」
倉田はそういい残し
歩いて行ってしまった




俺も言ってしまった
もう後戻りはできない
< 67 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop