―ユージェニクス―
「おい、なんだこの荷物」
「さぁ、研究所かららしいんですけど、ここに置いておけって。後で紀一さんにチェックして貰おうかと…」
警備室A。
黒川邸にいくつかある警備室の中で一番広く、屋敷内全監視カメラをモニタリング出来る唯一の場所。
悠に50は越えるかという監視モニターの壁を見ているのはたった二人の警備員。
そこに今新たに一人が入ってきて、扉のすぐ傍に置かれた巨大な荷物を見下ろしたのだ。
この部屋に警備員が計三人というのは少ない気もするが、実際黒川邸で監視カメラを必要とする事件などない。
ただ黒川の行いも行いであるから、金もあるし念を入れての事だった。
『おぃ居ないぞ!!どうなってる!!』
モニターの側の小さなスピーカーから、屋敷の執事蓋尻の甲高い声が入ってくる。
「は、お二人は南廊下から今西塔の方へ…」
『なんだとっまったく足が早い娘らだ!!』
「なんだ?どうした」
今入って来たばかりの警備員が蓋尻とこちらのやりとりに思わず首を傾げた。
モニターの前に座っている警備員は蓋尻に必死に場所の指示をしており、別の警備員が口を開く。
「いやね、今日こっちに新しい子が入る面談があったらしいんだけどさ、蓋尻さんが目を離した隙にその子らが屋敷の探検に出たんだよ…」
「はぁ?」
「でこっちから娘達が居る場所を蓋尻さんに報告してるわけ」
言われて、警備員は蓋尻が映っているモニターから娘二人が居るエリアモニターに目を向けた。
「この子らか…お、近くに精鋭がいるじゃないか、捕まえさせよう」
「はい」
モニター前の警備員は、あずさと美織がいる付近を移動していた黒スーツの精鋭にマイクのスイッチを切り替える。
「さぁ、研究所かららしいんですけど、ここに置いておけって。後で紀一さんにチェックして貰おうかと…」
警備室A。
黒川邸にいくつかある警備室の中で一番広く、屋敷内全監視カメラをモニタリング出来る唯一の場所。
悠に50は越えるかという監視モニターの壁を見ているのはたった二人の警備員。
そこに今新たに一人が入ってきて、扉のすぐ傍に置かれた巨大な荷物を見下ろしたのだ。
この部屋に警備員が計三人というのは少ない気もするが、実際黒川邸で監視カメラを必要とする事件などない。
ただ黒川の行いも行いであるから、金もあるし念を入れての事だった。
『おぃ居ないぞ!!どうなってる!!』
モニターの側の小さなスピーカーから、屋敷の執事蓋尻の甲高い声が入ってくる。
「は、お二人は南廊下から今西塔の方へ…」
『なんだとっまったく足が早い娘らだ!!』
「なんだ?どうした」
今入って来たばかりの警備員が蓋尻とこちらのやりとりに思わず首を傾げた。
モニターの前に座っている警備員は蓋尻に必死に場所の指示をしており、別の警備員が口を開く。
「いやね、今日こっちに新しい子が入る面談があったらしいんだけどさ、蓋尻さんが目を離した隙にその子らが屋敷の探検に出たんだよ…」
「はぁ?」
「でこっちから娘達が居る場所を蓋尻さんに報告してるわけ」
言われて、警備員は蓋尻が映っているモニターから娘二人が居るエリアモニターに目を向けた。
「この子らか…お、近くに精鋭がいるじゃないか、捕まえさせよう」
「はい」
モニター前の警備員は、あずさと美織がいる付近を移動していた黒スーツの精鋭にマイクのスイッチを切り替える。