―ユージェニクス―
黒川も、少し間があったがそう考えていた様にふむ、と頷く。
「……そうだな、何かと気が張っていては君達も……リラックスして貰いたいからね。部屋を用意させよう……蓋尻!」
「はい」
間髪入れずに返事が入って来た。
この男、ずっと部屋の扉の外に張り付いていたのだろうか。
「彼女らを部屋に案内したまえ!…また夜になれば声を掛けよう」
黒川は少女二人に甘い声でそう告げた。
部屋の扉が開き蓋尻が顔を出す。
「お嬢さん方、こちらへどぉぞ」
頭をぺこりと下げ手の平で廊下を促す。
「はぁ〜い」
あずさは持っていた紙袋をウキウキと揺らしながら出、美織は血の気が引いた顔で少し黒川を盗み見てから(その時も黒川はにこりと笑った)黒川の部屋を後にした。
軽く扉が閉まる音。
「フ……今回はゆっくり飼い馴らそうじゃないか…」
口の端を上げて黒川は呟いた。
「こちらがこれからお使い頂くお部屋です。オートロックになってますので、鍵を……」
黒川の部屋を出て一つ階を下がり少し廊下を歩くと、白い扉が並ぶ場所に案内された。
扉には輝く番号プレートが付けられ、まるでお高いホテルの様だ……
手渡された鍵は金色のカードキー。
流石並々ならぬ高級なセキュリティの様だが、見上げると廊下に設置された監視カメラは、未だ点灯ランプが点いていない。
「じゃあね〜美織ちゃん、また後でぇ」
各自部屋は別々。
あずさは早々と鍵を受け取り部屋へと入っていった。
「さぁ、貴女もおやすみなさい。必要と思われる物は中に揃っていますし…何かあれば中の電話を使ってくれて構わないですよ。では私はこれにて……」
蓋尻は丁寧に一礼して廊下を去っていった。
……。
(私も休もう……)
こんな場所で気を落ち着けるなんて到底出来そうにないが……
取りあえずあずさの発言のおかけで、今は助かったと言っていい。
美織は金色のドアノブに手を掛け、部屋へと足を踏み入れた。
「……そうだな、何かと気が張っていては君達も……リラックスして貰いたいからね。部屋を用意させよう……蓋尻!」
「はい」
間髪入れずに返事が入って来た。
この男、ずっと部屋の扉の外に張り付いていたのだろうか。
「彼女らを部屋に案内したまえ!…また夜になれば声を掛けよう」
黒川は少女二人に甘い声でそう告げた。
部屋の扉が開き蓋尻が顔を出す。
「お嬢さん方、こちらへどぉぞ」
頭をぺこりと下げ手の平で廊下を促す。
「はぁ〜い」
あずさは持っていた紙袋をウキウキと揺らしながら出、美織は血の気が引いた顔で少し黒川を盗み見てから(その時も黒川はにこりと笑った)黒川の部屋を後にした。
軽く扉が閉まる音。
「フ……今回はゆっくり飼い馴らそうじゃないか…」
口の端を上げて黒川は呟いた。
「こちらがこれからお使い頂くお部屋です。オートロックになってますので、鍵を……」
黒川の部屋を出て一つ階を下がり少し廊下を歩くと、白い扉が並ぶ場所に案内された。
扉には輝く番号プレートが付けられ、まるでお高いホテルの様だ……
手渡された鍵は金色のカードキー。
流石並々ならぬ高級なセキュリティの様だが、見上げると廊下に設置された監視カメラは、未だ点灯ランプが点いていない。
「じゃあね〜美織ちゃん、また後でぇ」
各自部屋は別々。
あずさは早々と鍵を受け取り部屋へと入っていった。
「さぁ、貴女もおやすみなさい。必要と思われる物は中に揃っていますし…何かあれば中の電話を使ってくれて構わないですよ。では私はこれにて……」
蓋尻は丁寧に一礼して廊下を去っていった。
……。
(私も休もう……)
こんな場所で気を落ち着けるなんて到底出来そうにないが……
取りあえずあずさの発言のおかけで、今は助かったと言っていい。
美織は金色のドアノブに手を掛け、部屋へと足を踏み入れた。