―ユージェニクス―
ありえない侵入者に黒服の男は驚愕したが、それも少女だと分かると口元に笑みを浮かべゆっくりと美織の上から下りる。
そしてあずさに近寄り……
「!!!」
男は一瞬身体を痙攣させて……床に崩れ落ちた。
「……」
電気のショート音が鳴って、小さく閃光が走る。
あずさは手に持っていた物を放り投げ、倒れた黒服を思い切り踏ん付けて美織の元へ飛んできた。
(あれは……スタンガン?)
スタンガンで黒服を…?でも何故そんなものを……
「大丈夫?!美織ちゃん!」
あずさは素早く美織の服装を整え、口に貼られたビニールテープを剥がし自分の着ていた上着を美織に掛けた。
「ケホッケホッ、あり、がとう…あずさ」
言って、美織の瞳から大粒の涙が落ちた。
「びっくりしたよ〜壁がドンドンってしてさ、何かあったのかと……」
あずさは美織の乱れた髪を優しく撫でる。
まだ美織は気持ち動転していたものの、助かった事に身体の力が抜けた……
「痛ッ!」
「?!」
ベッドから起き上がろうとすると、腕が……
「わ、これ捻られてる…これはぼ……あたしじゃ無理……ね」
美織の力の無い腕を見てあずさは首を横に振る。
「ちょっと待ってて!今……」
「あ…ずさ……」
あずさが美織の傍から立ち上がろうとした時、美織が小さな声で呼び止めた。
「ごめん、もう少しだけ…ここに居て…欲しい」
ぽろぽろと溢れる涙。
あんな事になっていたのだ。
今一人では駄目だろう。
「そうだね…うんっ居るよ」
あずさはベッドの脇の床に座り直し、にこりと頷く。
「ね、まだ未遂だったよねっあたし間に合った??」
「うん……間に合ったよ……」
力無くだったが、美織はあずさに微笑む事が出来た。
「あずさ……どうやって…入って来たの…?」
ここはオートロックの筈なのに…
「ん?あぁ…ドアになんか挟まってて閉まってなかったからっ」
あずさはなんとでもないという顔で笑った。
そしてあずさに近寄り……
「!!!」
男は一瞬身体を痙攣させて……床に崩れ落ちた。
「……」
電気のショート音が鳴って、小さく閃光が走る。
あずさは手に持っていた物を放り投げ、倒れた黒服を思い切り踏ん付けて美織の元へ飛んできた。
(あれは……スタンガン?)
スタンガンで黒服を…?でも何故そんなものを……
「大丈夫?!美織ちゃん!」
あずさは素早く美織の服装を整え、口に貼られたビニールテープを剥がし自分の着ていた上着を美織に掛けた。
「ケホッケホッ、あり、がとう…あずさ」
言って、美織の瞳から大粒の涙が落ちた。
「びっくりしたよ〜壁がドンドンってしてさ、何かあったのかと……」
あずさは美織の乱れた髪を優しく撫でる。
まだ美織は気持ち動転していたものの、助かった事に身体の力が抜けた……
「痛ッ!」
「?!」
ベッドから起き上がろうとすると、腕が……
「わ、これ捻られてる…これはぼ……あたしじゃ無理……ね」
美織の力の無い腕を見てあずさは首を横に振る。
「ちょっと待ってて!今……」
「あ…ずさ……」
あずさが美織の傍から立ち上がろうとした時、美織が小さな声で呼び止めた。
「ごめん、もう少しだけ…ここに居て…欲しい」
ぽろぽろと溢れる涙。
あんな事になっていたのだ。
今一人では駄目だろう。
「そうだね…うんっ居るよ」
あずさはベッドの脇の床に座り直し、にこりと頷く。
「ね、まだ未遂だったよねっあたし間に合った??」
「うん……間に合ったよ……」
力無くだったが、美織はあずさに微笑む事が出来た。
「あずさ……どうやって…入って来たの…?」
ここはオートロックの筈なのに…
「ん?あぁ…ドアになんか挟まってて閉まってなかったからっ」
あずさはなんとでもないという顔で笑った。