―ユージェニクス―
「! 止まれ!」
暫く走りとある廊下の角に差し掛かるところで、少年が後ろに続く二人を制止させた。
壁際に身を寄せ、曲がり角の先を伺う。
「黒服がいる…まずいな、ここを抜けないと裏口に行けない」
廊下には黒服が三人。
黒川邸に迎えられたとはいえ、少女二人が裏口付近であるこの辺りをウロウロしているのは考えものだし…少年に至っては明らかに侵入者だ。
「……気を引き付けるしかないでしょぉ。ちょっと待ってて」
言って、あずさは一人ゆっくりと先へ進み黒服の元へと向かった。
「え、あずさ……だ、大丈夫かな」
「平気だろ、あいつ強ぇーから、色んな意味で」
少年は美織の心配を余所にあずさを信頼している様だった。
「あの…あなた達は一体……」
「…ちょっと黒川邸に用があってな。……いいか、ここ曲がったらすぐ左手に道がある、そこに………行くぞっ」
先を伺っていた少年が美織を呼び素早く角を曲がる。
黒服達は直進の廊下のかなり先行くあずさに気を取られており、少年と美織は急いで左手方向にあった曲がり角を曲がった……
「ん?!」
黒服の一人が振り向く。
「えっトイレこっちじゃないんですかぁ〜?」
「だから言ってるだろ、一旦戻って……」
(やっぱり三人引き付けるのは無理があったか……拜早、頼むよ)
黒服の一人は何か気配を感じたらしく、少年と美織が入っていった曲がり角を見に行った。
「……」
あずさは残り二人の黒服を上目使いで見定め、ふっと口の端を上げる。
「後ぉ、もう一つ聞きたい事があってぇ〜〜」
「……何だ?」
あずさは一人の黒服に近付き、彼の脇腹に黒い機械を挿した。
小さく閃光が走り、黒服はその場に昏倒する。
「な……?!」
「茉梨亜の居場所、知らない?」
スタンガンの電源を入れたまま、咲眞は残り一人の黒服を見据えた。
暫く走りとある廊下の角に差し掛かるところで、少年が後ろに続く二人を制止させた。
壁際に身を寄せ、曲がり角の先を伺う。
「黒服がいる…まずいな、ここを抜けないと裏口に行けない」
廊下には黒服が三人。
黒川邸に迎えられたとはいえ、少女二人が裏口付近であるこの辺りをウロウロしているのは考えものだし…少年に至っては明らかに侵入者だ。
「……気を引き付けるしかないでしょぉ。ちょっと待ってて」
言って、あずさは一人ゆっくりと先へ進み黒服の元へと向かった。
「え、あずさ……だ、大丈夫かな」
「平気だろ、あいつ強ぇーから、色んな意味で」
少年は美織の心配を余所にあずさを信頼している様だった。
「あの…あなた達は一体……」
「…ちょっと黒川邸に用があってな。……いいか、ここ曲がったらすぐ左手に道がある、そこに………行くぞっ」
先を伺っていた少年が美織を呼び素早く角を曲がる。
黒服達は直進の廊下のかなり先行くあずさに気を取られており、少年と美織は急いで左手方向にあった曲がり角を曲がった……
「ん?!」
黒服の一人が振り向く。
「えっトイレこっちじゃないんですかぁ〜?」
「だから言ってるだろ、一旦戻って……」
(やっぱり三人引き付けるのは無理があったか……拜早、頼むよ)
黒服の一人は何か気配を感じたらしく、少年と美織が入っていった曲がり角を見に行った。
「……」
あずさは残り二人の黒服を上目使いで見定め、ふっと口の端を上げる。
「後ぉ、もう一つ聞きたい事があってぇ〜〜」
「……何だ?」
あずさは一人の黒服に近付き、彼の脇腹に黒い機械を挿した。
小さく閃光が走り、黒服はその場に昏倒する。
「な……?!」
「茉梨亜の居場所、知らない?」
スタンガンの電源を入れたまま、咲眞は残り一人の黒服を見据えた。