―ユージェニクス―
「それにしても私も武器持ってたらあんな奴ら!」
「ぇ、武器?」
「そっ私の拳銃捌きは凄いわよ」
言って茉梨亜はくるくると指先を回してみせた。
「けっ拳銃………ま、茉梨亜、家に帰るなら送っていくよ?この辺まだ危ないかもしれないし」
茉梨亜のすっ飛んだ発言に驚きながらも、シティリアートは問い掛ける。

「えっそんな…いいわよ、年下に送ってもらうのもなんだか…ダッシュで帰るから大丈夫よ!」

「そう?」

「シアこそカワイイ顔してるんだから気をつけるのよ!」

言って、茉梨亜はシティリアートの白髪の頭をくしゃくしゃ撫でた。



「……茉梨亜聞かないんだね…なんでボクの髪が白いのか」

どこか目を伏せたようにシティリアートは口を開く。


茉梨亜は少し目を瞬きさせ、シティリアートの頭からゆっくり手を離して屈みこんだ。

シティリアートを見上げ、
「シアの髪は真っ白でキラキラしてるよ!朝焼けに光ってていい感じ!」
そうにっこり笑った。


「散々だったけど最後にシアに会えて良かったなぁ、また会って探検とかしようよ!」

ぱっと茉梨亜は立ち上がり、ぽんとシティリアートの肩を叩く。

「う…うん」


「ぇへへーじゃあ私は帰るね!お腹へりへりだし…私Bブロックに住んでるから」

じゃあね、と茉梨亜はガラクタの並ぶ道を縫って去っていった。



「キラキラ…」
シティリアートの白髪が、朝の風に揺れる。



「ありがと、茉梨亜」


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