―ユージェニクス―
「あれっ許してないよ?」
「一生モンだよな……まぁ悪い思い出はいずれ消えるっていうけど」
「へっ!?ちょ、二人共……」
「でもそれ以上に茉梨亜には傍に居て欲しいからね」
にこりと。
「……って事で」
拜早も、笑った。
「ぁ……」
「暮れてきたな」
「そうだね、中入ろうか」
そして二人は城の中へ。
茉梨亜が振り向くと拜早と咲眞はきちんとそこに存在していて。
「――拜早っ咲眞!」
言いたかった。
もう言う事はないかもしれないと思っていたけど。
諦めて、考えないようにもしていて。
けれど、また。
「二人共、ごめんね…………ありがとう」
戻ってこられた。
奇蹟だった。
まだ完璧には笑えない。
笑ってもいけないと思う。
でも、嬉しさと哀しさとで
きっと変な顔で微笑んでた。
「……ただいま」
―Afterwards.
And,Reunion with…Maria―