―ユージェニクス―
「人の気も知らないでほんっと馬鹿な事ばっかり…」

「おやぁ?なんならその人の気ってやつを聞きますよ、棗さん」

「結構よ!!」


相変わらずだなぁとこの二人のやり取りを見て茉梨亜は思う。

自分達みたく歳が近いわけでもない二人だが、管原なんかは棗と同い年の様に言い回すのだ。
それこそ時々子供の様に。


と本人に言ったらきっと「体はオトナ心はコドモ」とか返されるに違いない。



「ねぇ弾くん!教えてよ〜」

「あ?何を」

「二人の恥ずかしいハナシ」


茉梨亜の屈託のない笑顔から飛び出した単語を、拜早と咲眞は聞き逃さなかった。


「あー管原さんと姉さんの恥ずかしい話ねー」

「は!?」
棗が振り返る。

「違うわよ咲眞、咲眞と拜早の恥ずかしいハナシ」
茉梨亜は変わらずの笑顔だ。
拜早なんかは茉梨亜を見ようともしない。
身に覚えが痛い程あ……

「そうかアレかぁ昨日話そびれたヤツだなぁ〜〜」

「そうソレ!」

「待て管原サン、わざわざ言う程の事でも…っ!」

「そうだよ記憶から抹消して」

「いや無理だろアレは衝撃的だろリアルに」


「え……恥ずかしいって、もしかして咲眞が茉梨亜ちゃんの格好してたヤツの事?」

何の気無しに棗がぶっちゃけた。

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