―ユージェニクス―
瞬間、一際つんざく様な警報が鳴る。
壁に掛かる赤い光が蛍光色に点滅を始めた。
「な…なんだ?」
二人だけでなく、廊下に居た所員達も目を丸くし天井を見上げている。
『――――ガッ』
どこから発せられているのか、スピーカーのノイズが走った。
『――現在不審人物と思われる者は5階Aフロアを逃走中。警備員が向います。尚、この警報は認識の範囲ではありません。各所員は通常業務を再開して下さい』
「所内放送?もしかして茉梨亜君何かしでかしたんじゃ」
「オイオイまじかよ、てかAフロアってここじゃねーか!」
思わず冷や汗ながら口角が上がる。
だが妙な事に廊下に響く警報と放送の内容が一致しない。
「……変じゃないか?こんな騒ぎにしてるのに、研究員は持ち場に戻れって言うのは……」
「警備員が間違って警報鳴らしただけじゃねー?研究員は皆隠密に済ませたがるからな…」
とそんな事を話していると突如管原と塔藤の前に現れる人影。
「ん…!?」
曲がり角からいきなり登場され流石に管原も驚く。
そんな管原の目に飛び込んだのは、黒髪に金メッシュを入れ更に白衣を纏った男だった。
「さ…くま!?おまえなんで白衣…!」
「っ!」
相手もこちらに小さく反応を示したが、構ってはいられない様子で自らの背後を振り返る。
幾人かの警備員がこちらになだれ込もうとしていた。
「見つかった、のかな?」
「おい咲眞……」
咲眞は二人を視認しながらも、構わず口を開いた。
壁に掛かる赤い光が蛍光色に点滅を始めた。
「な…なんだ?」
二人だけでなく、廊下に居た所員達も目を丸くし天井を見上げている。
『――――ガッ』
どこから発せられているのか、スピーカーのノイズが走った。
『――現在不審人物と思われる者は5階Aフロアを逃走中。警備員が向います。尚、この警報は認識の範囲ではありません。各所員は通常業務を再開して下さい』
「所内放送?もしかして茉梨亜君何かしでかしたんじゃ」
「オイオイまじかよ、てかAフロアってここじゃねーか!」
思わず冷や汗ながら口角が上がる。
だが妙な事に廊下に響く警報と放送の内容が一致しない。
「……変じゃないか?こんな騒ぎにしてるのに、研究員は持ち場に戻れって言うのは……」
「警備員が間違って警報鳴らしただけじゃねー?研究員は皆隠密に済ませたがるからな…」
とそんな事を話していると突如管原と塔藤の前に現れる人影。
「ん…!?」
曲がり角からいきなり登場され流石に管原も驚く。
そんな管原の目に飛び込んだのは、黒髪に金メッシュを入れ更に白衣を纏った男だった。
「さ…くま!?おまえなんで白衣…!」
「っ!」
相手もこちらに小さく反応を示したが、構ってはいられない様子で自らの背後を振り返る。
幾人かの警備員がこちらになだれ込もうとしていた。
「見つかった、のかな?」
「おい咲眞……」
咲眞は二人を視認しながらも、構わず口を開いた。