―ユージェニクス―
‖茉梨亜編
―1―
―ある日のスラム、三人の企み
「えっお城!?」
「そうだよ茉梨亜、このスラムに僕達の城を秘密で作るの、どう?」
「素敵!大賛成ーっ!」
「どう?って、まじかよ…しかも城ってどんなメルヘン発想」
「あれ、もしかして拜早(あずさ)、西洋的なの想像してる?ネズミの夢の王国みたいな」
「アハハハっそれこそメルヘンだよ拜早っ!」
「なっなんだよ!じゃあ咲眞(さくま)は一体どんなのを作る気だ!」
―ある日の城での出来事
「ちょっやだ離してっ!!」
「君も、そして君も、全員来て貰うよ…」
「…!」
「今日は良い身体を沢山手に入れられたね、たまにはこういう下町へ来るのもありかな」
―ある日の男女の会話
「あーあ、もう使い物にならなくなっちゃったわ…逞しくないのねぇ、どうするのよ高城!」
「ネ、こいつらあの研究所に売っちゃっタら?」
「いいわねそれ!高く買い取ってくれるかも」
―ある日の研究所での事件
「見つかったか!?ナンバー445は!?」
「駄目です見つかりません!!」
「くそ!全出入口を封鎖させろ!!」
「館内下層階全て散策しましたが発見出来ません!上層には侵入出来ませんし…既ににナンバー445はスラムへ出たと思われます」
「………外を捜索すべきか?」
「スラムを捜索するのは骨が折れる。あそこを全て捜すには瓦礫が多すぎるし、誰かが匿う可能性もある。第一、研究所(ここ)とスラムの干渉は無い事になっているからな……」
「………」
「なに、新たな残りの二人で研究はほぼ落ち着く…後は残されたナンバーでやれるだろう」
――何が起こったのか
色んな事があって、僕は数日間の記憶を無くしてしまった。
疑問が頭に呼びかける。
僕は誰を愛していたのだろう―――