少女マンガ的妄想

流備と警察官

次の日の放課後には、続々と警察官が極普通中学校に集まっていた。その数ざっと百人前後。まさに物量作戦といった感じである。

午後7時ごろには、ネコの子一匹入れないほどの警戒体制がととのっていた。



そんな中

「警察のみなさ〜ん。さし入れでーす。」

警察官全員に、中学校女生徒からオニギリとお茶がさし入れされた。

指令部と書かれたテントの中にいた流備が外に出ると、山のようなオニギリとお茶を警察官達が食べている所だった。

そこに緑が駆け寄って来た。

「ルビー。これは、ルビーに作ってきたんだよ。ハイ、食べて」

それはおいしそうなクッキーとチョコボールだった。

「夜遅くまで、大変だと思うけどがんばってね」

「おっサンキュー。緑の作ってくれたお菓子はうまいからな」

そういってクッキーを一口。

「うん。うまいよ」

それを聞くと、うれしそうに緑は答えた。

「エヘへー。ありがと。それで今日はどんな作戦なのかな?エメラルドを捕まえる秘策とかあるの?」

流備はニヤリッと笑い

「ふっふっふ。よくぞ聞いてくれた。今日は取って置きの作戦があるんだ。ずばり!目の錯覚を利用する」

得意げに流備は言った。

「見えないものを有るように見せたり、また実際にあるものを見えないようにしたり…もう校長室に仕掛けてあるんだ」

「へぇーどうやってそんなことするの?」

「それは…秘密だ」

「えー!教えてくれてもいいじゃん!」

緑が口をとがらせていると、流備の所に警官がやってきた。

「ぼっちゃん!全員オニギリで英気を養いました。もう、今日こそは絶対エメラルド捕まえましょうね!!」

警官達の士気もテンションもすっかり上がっているようである。

流備はその様子に満足すると、警察官全員に向かって言った。

「いいかみんな!!今日こそは、自分で美少女と名乗る、小生意気で自信過剰で傲慢なコソドロをふんづかまえ!!その顔を拝んでやろうじゃないか!!」

「オォー!!」と警官達は意気込んでいた。

「ホントに美少女なんだけどな〜」

と緑は警官達が盛り上がっている中、小声でつぶやいた。



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