戦国恋華×桜蓮月
…桜白城…
[おうはくじょう]
静かなこの土地は民も国も仲が良く
とても豊かで平和な国である。
春の風と共に歌う小鳥たちの声を遮るかのように、竹刀の振る音が微かに聞こえる。
その音がする場所が稽古場である。
この城の中で2つあるうちの1つだ。
戸の外から声が聞こえた。
「月様」
家臣の1人が伝令を伝えに入ってきた。
《三女》
月姫【つきひめ】
「・・・なに?」
集中していた気を切ると、家臣のほうへと目をやる。
「王がお呼びです」
「わかったわ」
刀をおいて王、父上のいる王の間に向かった。