戦国恋華×桜蓮月
「平時?!」
わたしの背中の流れを止めたのは彼だった。
「やっぱここにいた~☆」
どうやら私を探していたらしい。
「どうしたの?」
問い掛けると平時君は私の背を起こして顔を近づけとおでこをコツッとあわせた。
ドキンッと胸の弾みと恥ずかしさのあまり顔を直ぐさま離す。
真っ白な肌は真っ赤なりんごのようになった。
それにきずいたのか
またもや顔を近づけてきた。
「キンチョーしてんのか?カオ、真っ赤!」
ニコニコの顔で無邪気に笑い
少し意地悪にいう彼に目を逸らした。
「ちっ違うよっ!!!」
どうして赤くなっているのか
自分でも分からなかった。
緊張から・・・?
いや、多分違う気持ち。
とにかく話をそらしたくて何故探してたのかのかを訪ねるとなんか心配だったからだよ、と優しい声で答えた。
その心配はなんなのか、私はすぐにわかった。
「勝てるかな…。」
ボソッと呟く月が自分の言葉にびっくりした。
普段決して弱音を吐かない月が初めて誰かに弱音を吐いたからだ。
それに感づいた平時は月の頭を
軽くポンポンっと叩き励ますようにいった。
「俺はお前の強さとか、弱さとか、なんも知らねえけど、俺は月の家臣なんだ。お前のことは何がなんでも守るって決めたんだ。だから少しは俺によりかかってもいーんだぜ?」
平時の言葉がいまの私の支えになっているのは確かだ。
王になれと言われ、誰にも弱音を見せれず今まで生きてきた月にとっては平時は大きな存在になっていた。