戦国恋華×桜蓮月


「なんか勇気がでてきたよ!頑張る!」



月の返事が嬉しかったのか、平時も嬉しそうに笑いながら、おう!と返した。




時は刻々と過ぎていき

《試合当日》


すみきった青空の下
両国の兵士やお偉方などが並び
盛大に行われようとしていた。



「これより、和泉城の幸助様対桜白城の月姫様の試合を行います、礼!」




お互い相手に一礼をしたあと、静かに自分の配置まで歩き出した。

あたりを見渡せば、人がたくさんいる。
和泉の家臣にうちの兵士たち。それに父上や姉様。
それでもそのなかですぐに見つけられたのは平時だった。

パッと彼を見ると彼もまた月を見て目があった。
すると平時は金魚のようにパクパクと口を動かし、月に伝言を伝えた。



“がんばれ”


その一言はなによりも月の言葉に勇気を与えた。



自分の配置につくと、ジリッと砂を踏む音さえ聞こえるぐらい
あたりはまるで誰もいないかのように静まりかえっていた。
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