Opacity-不透明-
「ね、どうしたの?」
結花が走りながら尋ねた
「……」
梓は、何も答えない。
どのくらい走っていただろう。
外は、暗くなっていた。


バンッ!!


「ッ……たぁ〜」
階段の踊り場で捕まってしまった。
「うろちょろしてさ」
「手間かけさせんなよ」
女子が口々に文句を言う
「うっさい」
梓は、壁に突き飛ばされてゴホッと咳き込んだ。
「なんで逃げるんだよ。話し合いが進まないじゃんよ!」
そう言って、梓と結花を睨み付けた。
「追いかけてくるからだろ?」
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