Opacity-不透明-
「イ・ヤ・ダ」
結花がいった。
「なによ!離れるのがかわいそうだとおもわないの!?」
「サイテー」
二人が食い下がる。
「なに?じゃあ、こっちが離れる分には、かまわないってこと?」
梓が睨み付ける。
「・・・・・ッ」
あいては、何も言えない
「とにかく、じゃんけんするわよ!」
無理やりじゃんけんさせられてしまい、梓は結花と離れなければならなくなった。
「わかった。」
梓は、それだけ言って鞄をもって階段を降りていってしまった。

〜階段〜
「ッ〜〜…クソッ」
自分の無力さに涙が溢れてきた。
『泣くもんか……こんな所で…泣いてたまるか。泣いたらアイツ等に心まで負けたことになる。』
そう心の中で呟いて、涙が溢れないように上を向いて階段を降りていった。


ドンッ・・・


「わりっ!!」
相手の男をみた。
「……。」
ポロッと涙がおちてしまった。
「お…おい、大丈夫か?わりっ。ほんと。」

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