Koi no Hana
それは私がちょうど一年前
くらいに買った本だった。


「あぁそれまだ読んでない
から面白いかわかんないよ?」

「うん。てか読めよ!」


有坂くんはその本を
ペラペラとめくりながら
私にそう言った。
有坂くんは真剣に本を
読みだしたので私は
ベッドに寝転んでいた。

部屋には本をめくる音
だけが響いていた。

有坂くんと2人きり…
心臓の音が今にも
聞こえてしまいそうだ。
私は毛布に包まり
ギュッと目を閉じた。
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