涙のアト
「最低っ最低っ、サイテイッ!」
私は日頃の運動不足にも関わらず、ただひたすら走った。
今の私には行く当てなんて思い付くハズもなく、息の続く限り走り続けた。
――――
―――
「ハァ、ハァ…
……ここって…」
行き着いた先は、見覚えのある公園…
私がまだ恋愛の『れ』の字も知らない頃に、よく遊んだ公園だった。
高校生にもなってココに来る理由もなかったこの公園。
10年以上も来なかったこの場所に、どうして来たのかは分からない。
けれど夕暮れ時の人気の少ないこの空間が、やけに私を落ち着かせる。
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