涙のアト
 
「最低っ最低っ、サイテイッ!」
 
 
 
私は日頃の運動不足にも関わらず、ただひたすら走った。
 
 
 
今の私には行く当てなんて思い付くハズもなく、息の続く限り走り続けた。
 
 
――――
―――
 
 
「ハァ、ハァ…
……ここって…」
 
 
 
行き着いた先は、見覚えのある公園…
 
 
 
私がまだ恋愛の『れ』の字も知らない頃に、よく遊んだ公園だった。
 
 
 
高校生にもなってココに来る理由もなかったこの公園。
 
 
 
10年以上も来なかったこの場所に、どうして来たのかは分からない。
 
けれど夕暮れ時の人気の少ないこの空間が、やけに私を落ち着かせる。
 
 
 
.
< 4 / 56 >

この作品をシェア

pagetop