涙のアト

記憶…一輝side

 
 
「ただいま〜」
 
 
「あら、いっクンおかえり、遅かったのね。ご飯は食べて来たの?」
 
 
「いっクンゆーな、飯まだー。風呂先に入るから用意しといてー」
 
 
遅かった理由を言うと話が長くなりそうなので、そこは敢えてスルー。
 
 
オレってば流すの上手くね?
 
 
「そっ、デートだったのね。こんな遅い時間に帰って来てやらしー!」
 
 
「なっっっ!!」
 
 
てかバレてるしっ!
 
てかデートじゃないしっ!!
 
 
「フフッ、図星って顔ね。お母さんなめちゃダメよ?
 
でも夜遅くまで彼女連れ廻すのはどうかと思うわ。
 
お母さんが若かった頃はね「だぁぁぁ分かった分かった!今度聞くよ!」
 
 
オレはお袋の話を遮り、逃げる様に2階へ駆け上がる。
 
 
あの手の話になると長いんだよ、うちのお袋;
 
 
 
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