涙のアト
 
「ハァ、ハァ…」
 
 
まだ呼吸が乱れていた私は、暫く両膝に手をついて回復を待ったが、長く走ったせいもあって、支えている膝までもがガクガクと震えだした。
 
 
 
ふと顔を上げると傍にベンチがあるのに気付き、引き寄せられる様にそのベンチへ座り込む。
 
 
 
「…ハァ、言って、やったぁ……」
 
 
 
体が楽になったと同時に、先程の事を思い出す。
 
 
 
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