涙のアト
「しかし坂本の素の顔があんなだった何てびっくりよね…」
朝の騒動から一転、新一輝は担任含め各教科の先生に驚かれながらも、あっとゆう間にクラスに馴染んでいた。
昼休みの今も、食堂で騒いでいる一輝達を、肩肘ついて眺めながら、美月が向かいでぼやいていた。
「でしょ!?私も最初誰だか分からなかったんだもん!」
「確かに。それで動揺してキスまで許しちゃったわけだ」
「えっ!?あのー、それは…」
「いいってー。
今何言っても苦しい言い訳にしか聞こえないって」
「言い訳って…美月ひどい」
「ごめん、ごめん!言い過ぎた。
でもさ、そのキスのおかげで未来は元気になれた訳でしょ?」
確かに…
一輝とのあの2日間がなかったら、私は今だに立ち直れてなかったのかも知れない。
…キスは余計だけども;
私は『ん…』と小さく頷いた。
.