涙のアト
 
 
 
「で?」
 
 
「?…で?」
 
 
話の続きを催促しているのか、美月が私の返事を待っているけど、話す事はすべて話した私は、催促の意味を聞き返す。
 
 
「だからー、未来的には坂本はアリな訳?」
 
 
「はっ?アリって何がよ?」
 
 
「だーかーら!恋愛対象に入ってたりするの!?」
 
 
「なっ、何でいきなりそうなるのよ!」
 
 
次第に大きな声になっていく美月に負けず劣らずな声で、返す私。
 
 
ここが騒がしい場所でよかった。
 
 
「はぁ…これだから鈍感なヤツは…」
 
 
私の返答に不服なのか、美月が大きなため息をはく。
 
 
「あのね、未来?」
 
「…?」
 
 
気を取り直したのか、美月は少し落ち着いた様子で先程とはうって変わった小さな声で、ゆっくりと話しだした。
 
 
 
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